2009年2月20日金曜日

合気道での木刀稽古の基本体と考え方について

木刀稽古
抜刀術や刀にとらわれず、合気道とは何であるかを
知りうるひとつの稽古方法である。 

【重行先生のアドバイス】
剣や杖はあくまで合気道の根源のものであり、
それらを以って現在の千変万化の動きの合気道になったものであります。
開祖は剣術、鎗術、柔術などあらゆる武道を修行し、
最終的に独特な現代総合武道として、合気道を確立しました。
ですから、剣や杖などは完成された合気道の一原料であり、私達が行っていること
は、完成品の分析をしているに過ぎず、完成品が何の原料から出来ているか、
また原料の長短は、どういうものかを知るため、また この完成品を次に伝えて行く
ために行っているのです。
ゆえに合気道は、左右自在に動けなければ 無手の合気道になりません。
剣や杖の稽古は 合気道の根源を知ることと、武器を持たぬ 無手技の成り立ちを
知ること、また 自分が武器を持っているときの長短を知ることが目的です。
左右の稽古をすることにより その長短を知ることが出来るのである。

【木刀・杖を使い明確にすること】
・相手との間合いを保つこと(すべての入り身が前ではなく、後ろに交わす入り身もあり。)
・相手との息合いを自分の息合いと合わせること
これが整えば、和合・呼吸力・結びを理解する一つのきっかけとなる。
相手の息合いに耳をかたむけることである。

人が自分のことを理解してくれているのではなく、5感で相手を受け入れ一つになるよう心がけることが重要である。相手にまかせ、受け入れる気持ちを抱くことが最高の状況を作ることとなる。 


・上段と中段との違いを認識すること。
基本的には中段から正面うちにいく場合に対応するタイミングは表(このとき裏も可能)
上段の構えから正面うちで振り下ろす場合に対応するタイミングは裏となる。


基本の構え【左半身・右半身ともに鍛錬することを勧める】

【上段】
上段の構え 正面打ち、横面打ち、右半身を主体とする。

【中段】
中段の構え  正面打ち、横面打ち、突きともに、右半身を主体とする。

【練習方法】
正面打ち・横面打ち共通部分

・剣先から20cmの部分が切るポイントとなること
・剣先と自分の中心は常に同方向を向いていること
・両肩は開いた状態で、丹田に意識を持つ
・剣先は相手の首元に向く(中段の構え時)
・構えは両足先が90度を保っていること
基本的には前足の親指が進行方向を向き、後ろ足の親指は前足の親指と90度を保つ。
厳密には前に出ている足は若干外側に向け、後ろの足は若干内側を向かせると、
腰の位置が安定する。
・腰が曲がらないこと(おへその進行方向が目線と同じ角度を保つこと)


【下段】
防御の構え。剣道では相手は突きを意識するという。正面・横面打ちを行うには
他の構えに比べ時間がかかり、相手に打ち込まれてしまう。
剣を下に構えることにより、剣の長さを把握できず、間合いをつかませずに
相手からの攻撃を封じることができたのではないだろうか。
剣を振ることよりも身を守ることを、自分の体さばきが重要となる。


【八双】
竹刀を立てて右手側に寄せ、左足を前に出して構える、言わばバッティングフォームに
似た構え方。刀をただ手に持つ上で、それ以上の余計な力をなるべく消耗しない様に
工夫されており、単純な攻防の意味においては実用性を無視されている。
恐らくは上段が変形した物で、長時間に渡って真剣を手に持ち続けなければならない
状況の為に、自然発生したと思わしき構えである。

【脇構え】
右足を引き体を右斜めに向け竹刀を右脇に取り、剣先を後ろに下げた構え方。
相手から見て、こちらの武器の射程距離を正確に確認出来ない様に構える事から、
八双と同様に対戦相手に肉体的損傷を与え得る凶器を用いた戦闘を前提とした
構えとして用いられる。 

陽の構え、金の構えともいう。 (From Wikipedia)


振り方
【正面打ち】
振り上げる際に剣先は天に向かい、あくまで背中に向かうものではない。
武産合気道においては天にむかい、体の中心を崩さず、振り下ろすことが肝要となる。
剣を振り下ろすと同時に両手指は雑巾をしぼるかのごとく、両小指から順に力強く握り
(牛の乳しぼりとは上下の力配分が逆となるような感じ。)
のように順次自然と指の力が木刀に伝わり、振り下ろすときに生じる重力
に歯止めを両手指で掛けるのである。切り下ろした剣先は中段の構えの状態に戻る。

【横面打ち】
正面打ちと同様、振り上げる際に剣先は天に向かう、右の構えからの横面打ちの場合
右足は右斜め45℃方向に進め、相手の左こめかみもしくは左側面の首に向かい刀を
振り下ろす。この刀の動きと同時に、左足は右30℃~40℃に弧を描きながら左斜め前
の状態で右の構えの状態となる。その際に右足はやや外側に向いている状態となる。
残心の状態ではおへその先は相手の首筋もしくはこめかみ、いわゆる刀で切る場所に
自分の中心が向くのである。





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