2009年2月20日金曜日

基本所作について【座り方立ち方・進み方退き方】

1.進み方退き方
両足を揃え 直立している姿勢より前進する場合 左足より踏み出します。また、元の
姿勢より、後退する場合 右足より下がります。
覚え方は、進左退右(しんさたいう)とおぼえます。左が上位で右が下位です。神道
作法も同じです。

※ちなみに弓道では左進右退ということで同様の動きをする。

2.座り方立ち方
両足を揃え 直立している姿勢より座る場合 左足を少しく退き左の膝を着き 右の
膝を左の膝頭に揃えて、両足のつま先を立てた起居の姿勢になり 両つま先を静か
に伸ばして座ります(正座の姿勢)。
立ち上がるときは まず静かに起居(つま先を立てる)の姿勢をとり 右足を少しく進め
右の膝から立ち上がり、左足を右足に揃えて直立の姿勢となります。
覚え方は、起右座左(きうざさ)とおぼえます。1でも述べましたが左が上位、右が下位
です。

※ちなみに弓道では左進右退ということで逆の動きをする。

日本古来の信仰が日本人のしきたりとなって現在でも生活の中にしっかりと根付いております。
昔から左が身分でも上位とされてきました。左大臣右大臣の官職も左が上位です。
左は日足り、日( 霊、火、陽)が満ち満ちている様子を顕しています。
武士は、左腰に大刀を提げたり差したりしました。大刀は武士の魂であり、尊いもので
あり、大切なものでした。
しかし武器でもあります。また武士の中には左利きの者もいたであろうに、大刀を右腰
に差す者はいません。
おそらく左に差さなければならない理由があったのではないかと思うのは私の考えす
ぎでしょうか?

左が犯してはならぬ 中央(中央は神の座する位置)の次の上位置と捉えれば、また
人間の体の中心は腹で一番要の場所であると捉えたのではないでしょうか。
次に大事な場所が左腰、その大事な場所に武士の魂ともいえる大刀を差すのは、
最も自然ではないかと思います。

その大事な魂を歩いて互いにぶつかり合わぬように左通行になったのも自然の成り
行きである、と思います。

因みに、武士の罪のひとつ切腹について、簡単に記しておきますが、切腹にも作法があり、また検使 役や介添人、介錯人などがいる。切腹を命ぜられた者は、作法通り、沐浴して身を清め、白装束に着替えて切腹場に着く。
末期の杯を飲み干し、検使役に一礼をして腹を切るのですが、これも作法に従い左わき腹より横一文 字に切り、次にみぞおちからへそ下にまっすぐに切り下ろす。
そして介錯人に目礼して合図を送り、それに答えて介錯人は首を斬り落とす。
これは武士にとって一番苦しい死に方でありますが、武士として最も勇猛で、忠誠心が整っていた者として名誉ある死とされました。

日本では人間は生まれながら神にして腹にもその人の霊がいると考えていたのだろうと思います。神道には一霊四魂説があります。人は四つの魂からなっている。これを詳しく説明すると長くなるのでいずれ、何かの機会にいたします。

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